日独ミニシンポジウム - Session 1-
ミッテルヘッセン工科大学経営学部では2018年以来年に一度、立命館大学経営学部の研究者を中心とするグループと合同研究発表会を実施しています。以下のリンクをクリックすると、過去2年の研究交流についての記事(ドイツ語)をご覧になることができます。
今年は新型コロナの影響により対面での意見交換ができないため、オンラインでのミニシンポジウムを開催することになりました。月に一つのペースで三つのセッションを実施します。一つのセッションの所要時間は約2時間。日独各1名がプレゼンテーションを行い、それについて皆で討論するという形式です。
去る10月26日、第1回セッションが開催され、日独総勢18名の参加者がWEB会議室に集いました。
まず立命館大学名誉教授の今田治氏が、デジタル化により日本の生産システムやビジネスモデルが受ける影響について講演しました。氏はICT(情報通信技術)の最新動向に焦点を合わせ、企業が大量のデータを収集および処理するのをサポートするICTの重要性を、日立製作所とPTC Japanを例に挙げて説明しました。
次にミッテルヘッセン工科大学教授ゲリット・ザーメス氏が、ドイツの製造分野におけるビジネスプロセスのデジタル化について講演しました。氏が独自に行った調査の結果によれば、中小企業のビジネスプロセス変革はまだ初期段階であり、解決すべき課題が山積しています。このままでは中小企業は労働市場での魅力を失い、よい人材を確保できなくなる。そしてその結果更なる負のスパイラルに陥る危険性があると氏は警鐘を鳴らます。実装が容易な標準化されたソリューションを適用することにより遅れを取り戻すことは可能であると氏は指摘し、今こそイノベーションへの一歩を踏み出す時であると強調しました。
それぞれの講演の後、参加者全員を交えて活発な意見交換が行われました。最後に今後の研究協力の意思を相互に確認し、第1回のセッションは成功裏に幕を下ろしました。